融資の際に行われる審査事項について

事業活動等を行う場合には、その事業を行うための運転資金が必要となります。そして、通常運転資金は恒常的に必要となりますので、事業をこなうためには、金融機関等から融資を受けることが必要不可欠となります。

もっとも、金融機関も慈善事業を行なっているわけではなく、融資を債務者に対して行うことによって利潤を上げる必要があります。そのため、融資を行うにあたっては、債権の不良債権化を防ぐために、様々な審査基準を設けています。そこで、以下においては、一般的に金融機関が融資を行うに当たり設定されている審査基準について説明いたします。 まず、かかる審査基準を設ける理由は債権の回収可能性を上げることにあります。

したがって、審査基準は主に債務者の資力について設けられています。この内、最も重要視されるのは、債務者それ自体が得ている金銭的利得です。一般的に融資の回収手段は債務者からの自主的な債務の履行と、債権者が債務者の保有財産から執行するという方法が考えられます。もっとも、後者の方法の場合、債務者に対して債権返済を求める訴訟を提起して、その勝訴判決を債務名義として執行裁判所に対して債権執行の申し立てを行わなければなりません。


 したがって、債権の執行を行うことはかなり煩雑な手続きと費用を必要とするので、金融機関としては債務者が自主的に債務を履行してくれる方が都合がいいということができます。そのため、債務者が現在他の債務の支払を行うことを考慮せずに、自由に使用することができる金銭がいくら存在するかということは融資における審査基準として最も重視されます。そして、副次的に重要される審査基準として保証に関する事項があげられます。保証とは、保証人を立てるという人的保証と不動産に対する抵当権や保有株式や保有再建についての質権などの物的保証が存在します。

このうち、人的保証については、保証人となるべき人間の資力その他債務支払い能力の有無について、物的保証の場合には、目的不動産の価値及び目的債権の評価額が重視されます。もっとも、この内物的保証における不動産については、担保権を設定した債権者は目的不動産の価値代替物に対して物上代位をすることができることとの関係から、目的不動産の近傍類地の賃料相場も重要な審査基準となります。 このように融資を受ける場合には様々な審査基準が存在します。そして、係る基準は周知されているものではなく、また公表されているものでもありません。そのため、事前にこれを知ることが重要となります。